So-net無料ブログ作成
マーケティング ブログトップ

リテール金融マーケティング [マーケティング]


リテール金融マーケティング―顧客を知って儲かる仕組みを作る

リテール金融マーケティング―顧客を知って儲かる仕組みを作る

  • 作者: 戸谷 圭子
  • 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
  • 発売日: 2006/07
  • メディア: 単行本



久々に向学心を掻き立てられた。本書の著者は筑波GSSM出身の戸谷圭子さんという方。お目にかかったことはないが小生の先輩だ。さて、本書はとてもGSSM生らしい作品に仕上がっている(いい意味で)。確かなサーベイに立脚したロジックの構築と共分散構造分析。実にソリッドな研究だと思う。

本書の最大の意義はサービスマーケティングの文脈の中に、金融マーケティングを位置づけた上でその特徴を明らかにしたことだろう。サービスマーケティング自体が十分に研究されていない我が国においては二重の意味で学術的価値があると思う。さらに、金融コンサルタントである著者ゆえにできる実務への言及も読みごたえ十分であってアカデミアに閉じていないこともすばらしい。

ただ、本書ではMCIF等のデータベースのみを用いた顧客分析を批判している。「のみ」というところには納得がいくが、データベースを使った分析が役に立たないような印象を受けてしまうところが残念だった。データベースにもよいところはある。本書にあるような地道な調査と共分散構造分析にも利点と「限界」があることには注意が必要である。

CRMを使った分析 [マーケティング]


CRMの実際 (日経文庫)

CRMの実際 (日経文庫)

  • 作者: 古林 宏
  • 出版社/メーカー: 日本経済新聞社
  • 発売日: 2003/04
  • メディア: 新書



仕事の関係でCRMシステムに蓄積されたデータを分析できる機会が得られるかもしれなくなった。なので、↑を読んだ。ところで、CRMをWikipediaで確認すると以下のように書いてある。

大量生産・大量消費を前提としたマスマーケティングの時代から、消費者個別のニーズに合わせたOne to Oneマーケティングの時代へという市場環境の変化により、注目を集めている経営コンセプトである。 CRMという概念は、最近のコンセプトに思われがちであるが、日本では江戸時代から大福帳などで見られるように実践されており、単に売上高のみを管理するだけではなく、個人にフォーカスした経営が重要であることが感覚的に理解できる。 CRMの実践には、財務や税務処理といった観点の管理(伝票処理システムなど)とは別に、「顧客」を「個客」として捉える視点からの管理が必要である。(wikipedia)


高精度の分析を行うためにはまずは精度が高く必要な項目をデータ化することが必要である。「CRMの実際」(日経文庫)は、「最初が肝心」と書いてある。そりゃそうだ。いかに、すばらしいポイントシステムを導入したって、最初の記入が誤っていたら分析もへったくれもない。腐ったデータからは腐った結果しか出てこない。

さらに、「途上管理」の視点も重要。顧客は変化する。申込当初のデータだけでは不十分で、データの「鮮度と精度をどう保つのかを考慮に入れ」なければならない。信用リスク系の情報は緩やかに変動するけれども、マーケティング系の変動は活発である。入力項目に依拠するだけではなく、トランザクションから属性を生成するというのは参考になった。

CRMの設計は出口から逆算するとの主張はとても重要である。だとすれば、マーケティングやデータベースの専門家だけではなく、データマイニングなどの分析的な視点からもデータベース構造を考える必要がある。モデリングに精通しているCRMコンサルタントは希少だろうから、CRMもまだまだ進化する余地は十分にあると考える。
マーケティング ブログトップ
メッセージを送る

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。

×

この広告は1年以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。