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リテール金融マーケティング [マーケティング]





久々に向学心を掻き立てられた。本書の著者は筑波GSSM出身の戸谷圭子さんという方。お目にかかったことはないが小生の先輩だ。さて、本書はとてもGSSM生らしい作品に仕上がっている(いい意味で)。確かなサーベイに立脚したロジックの構築と共分散構造分析。実にソリッドな研究だと思う。

本書の最大の意義はサービスマーケティングの文脈の中に、金融マーケティングを位置づけた上でその特徴を明らかにしたことだろう。サービスマーケティング自体が十分に研究されていない我が国においては二重の意味で学術的価値があると思う。さらに、金融コンサルタントである著者ゆえにできる実務への言及も読みごたえ十分であってアカデミアに閉じていないこともすばらしい。

ただ、本書ではMCIF等のデータベースのみを用いた顧客分析を批判している。「のみ」というところには納得がいくが、データベースを使った分析が役に立たないような印象を受けてしまうところが残念だった。データベースにもよいところはある。本書にあるような地道な調査と共分散構造分析にも利点と「限界」があることには注意が必要である。
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